inagiri

戯言つらつら。

Doki Doki Literature Club!(下)

例にもよってネタバレばかりなので折り畳み式にしておきます。

プレー済みの人は続きを読むからどうぞ。

 

Actごとに分けて書いときます。

 

【Act1】

終盤まではのほほんとした展開。初回プレーはサヨリ一筋で進めてた。

初回の文化祭準備のイベントはしょうがなくユリの方を選んだんですけどこの時点でこの娘なんか危ない雰囲気出してるな~っていうのはちょっと感じてた(ナイフのくだりとか)。

あとサヨリルートはホントに良かった。今流行りの表現でいうとあれですね、尊い

 

 

実のところ自分自身、ネタバレはある程度までは見てしまっていて、サヨリの自殺までは知ってる状態でプレーしてました。

序盤のサヨリは底抜けに明るくて、鬱病だなんて全然感じさせなかったから打ち明けてきたイベントではすごい驚いて進めてた。事前に情報を見た感じ死んでしまうのは確定っぽかったからそういうことか…って一応納得しながら且つやるせない思いで見てた。

自分が好きになるキャラクターの共通点って薄々気付いてはいたけど、周囲に対しては明るく振る舞ってるけど裏では重い悩みを抱えてる子が好きみたいで、今回これをプレーしてて気付きが確信に変わった気がしました。出来ることならこういった子は救われる展開がいいなぁっていつも思うんですけどサヨリに関してはそうは上手くいかないみたいで。Act1のラストではやっぱり死んでしまって、あーー……って感じで読み終わってました。切ない。

鬱病を打ち明けた後のサヨリはどことなくフワフワしてて。主人公と会話は出来てるけどコミュニケーションが出来てない感じとか見ててすごく辛かった。主人公が慰めの言葉をいくつも投げかけるけど何一つサヨリには届いてない、みたいなそんな感覚。現実で鬱病を抱えてる人もこんな風なのかなぁと考えてしまった…。

初回プレーはサヨリルートでプレー出来てよかったなって今になって思った。サヨリと親密なシーンが見れたからこそAct1の結末の重みが凄かったと思う。

 

文化祭当日のあれでモニカはかなーり怪しいなって気がムンムンしてました。っていうかするよねみんな。サヨリについてあんなしらばっくれた感じだったら。

ここでプレイヤーの人たちはみんな「モニカお前こんにゃろー!!!」ってなるけどそれも意図してるんだろうなーって完走して改めて思います。

 

あと主人公もなかなか鈍感というか。特に文化祭準備の日曜に他の子を自宅に呼んじゃうとか、文化祭当日にサヨリを起こしにいかないところとか。でも女の子と仲良くなる系のゲームの主人公ってまぁこういうところ鈍いししょうがないか…(完全な偏見)。

 

  • 一番好きな詩 

Act1のナツキルートの三つ目(最後)に読める「あなたが」っていう詩が一番好きだった。主人公への思いを綴った詩みたいですね、主人公は気付いてないっぽいけど!

ナツキのバックストーリーを加味してこの詩を読むと、もうなんかいろいろこみ上げてくるものがね…。ナツキってなかなか不遇な立ち位置だと思われることが多いみたいで、せめてスペシャルED後には幸せな人生が待っていると願わんばかりであります。果たしてスペシャルED後の概念があるかどうかは分からんけど。

詩の内容は多くは語らないでおきます。…けどホント切ない詩なので是非読んでほしいですね。

 

 

【Act2】

ホラーはそんなに得意でない(むしろ苦手な方)ので、そりゃ~もう怖かったです。要所要所でビクッ!!ってなるから机にしがみつきながらじゃないと読み進められなかった。でもちゃんとイヤホン付けて自力で読み進めたのでまぁ頑張ったかなと思う。どうでもいいかこの話は。

 

Act2はユリがメインな訳なんですけど、初回プレーのユリに関しては恐ろしくてそれ以上の感想が出てこなかった…。

ビックリさせる演出もこれまた凄い凝ってて、中盤以降は怖いのもあるけど渇いた笑いも出てた。特にカーソルが自動で動くやつとか…笑

Act2を読み終わったついでに気になった自傷癖について調べてみたんですが、自傷癖って周囲に心配されたいからとかより、自己嫌悪の末にやっちゃうケースが多いらしくて。ユリは自分の思ったことが意を反して口に出てしまうことが多く見られたので、そういったことで自分が嫌になって自傷行為をしてたんだなぁと。Act2を読み進めてたら人気のない教室に隠れて自傷してたし、周囲に心配されたくて…は違うなと思った。

 

Act2からはネタバレとか見てないままだったから初回でユリの自殺を見た時は唐突すぎてポカーンってなってた。告白の返答で「はい」を選んでこれだったから「いいえ」でも変わらず自殺だったんだろうなぁとも思った(実際そうだったっぽい)。

初回はただひたすら怖かったユリなんですけど、Act2ってユリがモニカの手によって暴走していくのがメインのお話だったので、そういう視点で読み進めた2回目ではユリがかわいそうに見えてきてしまうんですよね。モニカの内部操作によって感情のメーターが振りきれて自傷を通り越して自殺まで行っちゃうのなんて相当だなぁと感じられ…。

 

あとナツキのENDの逆さ文字のとことかも怖かった。これは1回ノーマルEDを見た後なんで2回目のAct2だったんですけど。事前にどんなシチュエーションかは既に知ってた(ノーマルED見る際にwikiとかいろいろ見ちゃってた)けどそれでも怖かった。

ナツキもユリが明らかに壊れていってるのを隣で見ることになってたから相当つらかったろうなと。ユリを助けたい一心で主人公に詩を見せ合う機会を使って助けを求めるとことか見てホントいい子だなぁと思ってました。結局モニカになかったことにされちゃったんだけども…。

 

  • 黒縁の文字について

これ疑問に思ったんですが、キャラクターの本心なのか、モニカによる改竄された文章なのかどちらなんでしょうね。ユリがナツキを貶める事を言ったり、ナツキが詩を主人公に見せて助けを求めた際に不自然になかったことにしようとする事を言った時に黒縁の文字が使われてて、モニカが都合のいいように改竄したのかなぁとも思ったんですが、逆さ文字END演出直前のナツキの黒縁文字はどうにも本心の言葉に見えてしまうんですよね。どっちなんだろう…?

 

【Act3(1回目)+ノーマルED】

 Act3に移ってようやくこのゲームの本質が分かってくるんですよねー。

プレイヤーネームはいつも使ってるハンドルネームにしてたんだけど、モニカに自分の下の名前を言い当てられた時はほんとにビックリした。目の前で大掛かりな手品を見せられた気分だった。

後で情報を見つけたんだけど、これ、どうやらPCのユーザー名を参照してるっぽい?そう考えると納得…。

 まさかキャラクターのファイルを削除することでお話が続くなんて思っても無くて(やり方はモニカが懇切丁寧に教えてくれてたけど)結局wikiを見て解決しました。よくこんな事思いつくなと感心してた。

続きの展開が見たくてしょうがなくて、初回のモニカとの雑談イベントは3~5分くらいで終わらせちゃってた。

 

ようやくたどり着いたエンディングでサヨリが再登場して最初は歓喜してたんですけどなんか様子がおかしいんですよね。これまでのモニカみたいで。

Act1の頃のサヨリとは別人だって気づいてしまったのちにエンドロール。自分が犯した過ちを繰り返さないようにゲームのデータを削除するモニカ…と。

ノーマルEDはなんだか自分だけ取り残されたというか、そういう寂しい気持ちで終わりました。こんなプレイヤー自身に内部のデータを消させるゲームに出会ったのは初めて(恐らく)なんで凄いゲームと出会えたなって気持ちもあったんですけど、やっぱり寂しさは大きくて。

wikiを見たらイベントCGを全部回収したら見れるスペシャルEDっていうのがあるらしくて、これはやらないではいられん!ってなりながらも2週目に駆り出しました(Act2をもう一回やるの正直しんどかったけど頑張った)。

 

【Act3(2回目)】 

  • モニカというキャラクターについて

TwitterとかTumblrでDDLCのファンアートとかを見たりするんですけど、モニカってこの作品の中で一番人気があるっぽいんですよね。

自分自身、始めた当初は個別ルートが用意されてるサヨリ、ナツキ、ユリに興味が向いてて、モニカがなんでこんなに人気があるのかよく分からなかった。それこそAct1が終わったときなんて明らかに黒幕(悪役)に見えるように描かれてたように思うし、このゲームは「他の部員に嫉妬してゲームの内部にすら干渉してくるモニカをどうにか説得する、そしてAct1の平和な文芸部の時間を取り戻す」みたいな内容かな?っと思ってた訳です自分は。けど実際は全然違ってて。もともとこのゲームはモニカとプレイヤーの為だけに作られていて、他のキャラクター(プレイヤーの分身である主人公含めて)は舞台装置にしか過ぎなかったと。取り戻すとか以前にそんなもの最初から無かったわけですね。

…で、このAct3での雑談イベント。

雑談イベントとは言っても、プレイヤー側からは何も反応する手段がないのでただただモニカの喋る話題を読んでいくことしか出来なくて。それでもモニカは何気ない内容の話題を交えながらプレイヤーのことが好きと言ってくれるし、このままずっとこうしていたい、あなたがここに来てくれて本当に嬉しいって言ってくれる。2回目の雑談イベントは1時間弱じっくり聞いてみたんですが、「プレイヤー自身はこのゲームを終了させてまた別の世界へ行けるけど、モニカには目の前のプレイヤーだけが全て」っていうのを痛いほど実感させられた。

モニカ自身も自分が作られたキャラクターだっていうのは理解してると思うし、プレイヤーがずっと雑談に付き合ってくれるものでもないと理解してるからこそ、絶対に成就されない恋、願いみたいなものがイメージされてこんなにも切ないんだなと。DDLCのファンの多くもそんなモニカに感情移入してるようだし、冒頭で言ってたモニカが一番人気なのも頷けるなと思ってました。っていうか自分も2回目のAct3で彼女のことが好きになりました。かわいい&尊い

 

EDを見るにはモニカのキャラクターファイルを削除しないといけないのだけれど、これは1回目と2回目でそのときの印象が大きく違ってた。初回はモニカとの雑談をサッと終わらせて淡白に進めたけど、2回目の時は1回目のノーマルEDでプレイヤーから拒絶されてもなおプレイヤーが好きなままだったモニカを見てたし、2回目のAct3のこともあってスペシャルED直前のファイル削除は結構罪悪感があった。Act3で話題がループしてきたから仕方なく先へ進めたけど、もっといろんな話をモニカから聞きたかったなって。

 

 【スペシャルED】

Act2どころかAct1でも少しギスギスしてたナツキとユリがEDではすっかり仲良くなってて…。この二人が仲良くしてるところ、もっと見たかった…。

 

Act1が終わった時とノーマルEDを見終わった時に、主人公含む文芸部全員で文化祭の詩を発表するシーンを見たいなーと思ってました。Act1はサヨリの自殺で強制的にAct2に行ってたし、ノーマルEDはモニカだけいなくなってしまったので。

スペシャルEDでもモニカはいなくなってしまったので結局それは叶わずで相変わらず寂しかったんですが、スペシャルEDのサヨリからの感謝の言葉を読んだときに救われたというか…。ノーマルEDでは寂しい気持ちが占める割合が大きかったけど、スペシャルEDではいくらか胸がすいた気持ちでした。

モニカがピアノを練習してた理由がエンドロールで分かるのなんて言葉にならないというか。こんなん絶対感極まるわ…!

 

 

 

実はこのゲームに興味を持った始まりは怖いもの見たさで。

DDLCって一番最初に目に付くのがAct2のホラーテイストな部分が非常に多いと思うんですよね。自分もそこら辺がきっかけでプレーするようになったんだけど。だけどそのホラー要素に負けないくらいいろんな要素があって非常に満足でした。モニカっていう一人の女の子についてはかなり深く考えさせられた。

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 描き上げた後でアレなんだけど、教室の構造上この向きはおかしいことに気づいた…

 DDLCは公式の日本語版はまだリリースされてないのだけど、今後追加する企画は立っているらしいので導入されたらまた一から遊んでみたいなぁと。パッチの方は一部翻訳されてないままのところもあったので。

あと制作チームのTeam Salvatoによる新作の噂とかもあるらしい?(詳しくはよく知らない)ので楽しみにしておこうと思います。